さて、2日目のセッションも終わりました。今日のセッションはデフュージョンにフォーカスして行われました。最初は「アンカー(錨)をおろすdropping Anchor」のエクササイズから。セラピスト用のスクリプトが用意されていて、それを使ってロールプレイをします。ラスは、言葉使いがとても上手です。英語と日本語では、かなり表現が変わってくるので、日本語用のスクリプトを作ってみようと思います。

ポイントは、自身の考えや感情に気づく(acknowledge)、体から生じてくる感覚に戻り(come back)、そして今のここにある世界に接触する(engage)という事です。これらをACEとして要約しています(外国の人たちは、こういうふうにタイトルをつけるのがとても上手です)。エクササイズの後に、デブリーフィングをして、考えや感情に囚われている時との違いを振り返ります。ラスのセッションでは、マインドフルネスとかデフュージョン、アクセプタンスなどの用語を平易で、直感的にわかりやすい言葉に置き換えて伝えるという事が丁寧に行われます。

1日目のセッションで、ACTについて説明する際に、車を運転するというメタファーを使っていました(武藤先生はコンピューターを使うというメタファーを確か、使っていたと思います)。車を運転するスキルと車のエンジンの事を知っていることとの違いです。車のエンジン(つまりRFT)の事を詳しく知らなくても、車を運転するスキルを上達させることができます。ラスの今回のセッションは、車を運転するスキルに特化しているのだと思います(これは、今回のワークショップが初級だからだと思います)。それで、マインドフルネスは考えや感情について気づき、今現在の体験に戻る、つまり「錨を下ろす」という言葉で導入されました。

手のエクササイズ(Hands as thoughts & feeling exercise)はポピュラーなエクササイズで、私もよく使います。このエクササイズをブレイクルームに分かれて練習しましたが、パートナーになってくれたミッシェルさんは、とても上手にこのエクササイズをガイドしてくれました。そのおかげで、新しい発見がありました。クライアント役になって、上手なガイドでエクササイズをすると、これまでとは違った新しい発見がその度にあります。本で読んだり、一人で練習するのとは全く違った体験をすることができるのが、ワークショップに参加する事の利点だと思います。今日の私の発見の一つは、不快な考えや感情を「持つ」とか「ポケットに入れる」という事の、感覚がこれまで以上にリアルになった点です。

いろいろなデフュージョンのエクササイズをラスは紹介してくれました。ACBSのフォリーズで見るように、演技力抜群に、面白おかしくエクササイズを紹介してくれました。ああいう演技力は、とても大切なセラピストの資質の一つなのだと思います。

オンラインWSの様子

この記事を書いた人谷 晋二先生(立命館大学 総合心理学部)